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桜と職場の対話会の思い出


都内ではやっと桜が満開を迎えました。

この時期なると思い浮かぶのは、いつも別れと出会いがあり、そしてこれからの一年に向けて新しいスタートとなる、まさに旅の始まりです。昨年まで会社員だったこともあり、時に印象に残っているのは、年末あたりから会社の経営体制の変更についての噂が流れ始め、職場でもトップや管理職層の異動の噂でもちきりになる。そんな中でPDCAサイクルを意識しながら来年度の事業計画を策定し、その中に決して簡単ではないけど中長期を意識した夢や希望を入れていく、、、

私も噂の渦中にいる時もありました、来年度はこの部署にはいないかもしれないけれど、もっと会社が良くなる為に、更にこの部署の一人一人が活き活きと仕事ができるようになるためにと夜遅くまで議論し、修正を繰り返しながら計画をまとめていったことを思い出します。ホント、会社員、頑張ってました(笑)。計画が達成でき、それが評価され、更なる挑戦に向かって会社も職場もそして自分も成長していくのはやりがいを感じることはありましたが、一方で心が重くなることも少なくありませんでした。

そして、この桜が咲く時期に、新しく入れ替わった職場の仲間で少し緊張を覚えながら新しい年度のスタートを迎えるのでした。新しい職場では、すでに議論を重ねて作られた目標に向かい、決められた役割に沿って速やかに取り組んでいく。気を抜く暇はありません。歓迎会や決起大会は決して楽しいだけのものではありませんでした。

いつからだったが忘れましたが、私の中でこの繰り返しに対する違和感が大きくなっていました。そして、やり始めたのが新体制での対話会です。計画を作ることよりもそれに取り組んでいく職場の繋がりの方が大切なのではと思ったのです。そのきっかけとなった思い出深い話を紹介したいと思います。これは、15年位前に私がシニアマネージャーとして組織風土改革を担当していたときの話です。

その年には珍しく経営陣のメンバーが半数以上変わったのでした。会社の外から来た方もいました。3ヶ月くらい過ぎたところでこの経営チームがもっとまとまることで会社が活き活きとなるのではないか、と思うようになり、思い切って社長に相談したところ、社長も同じことを願っていることが分かり、早速近くの研修所で合宿をすることになりました。

合宿の狙いは、”経営メンバーが一つのチームになるための信頼関係づくり”です。皆さん忙しいので金曜日の3時頃から集まって、まずは「リーダーズ・インテグレーション(森時彦著 ザ・ファシリテーターでも紹介されているリーダーとの信頼関係づくりの手法の一つ)」をしました。

まずは、社長を除いた経営メンバーだけで ①社長について知っているとことを挙げてもらう、②社長について知りたいことを挙げてもらう、③社長に知っておいてもらいたいことを挙げてもらう、④自分たちで貢献できることを挙げてもらう、ということを模造紙を使いながらやって、その後に社長に来てもらい、一つずつコメントをもらうとともに質問には率直に答えてもらう。

これは、かなりいい場になりいっきにメンバーの距離が近くなったのを覚えています。これに味を占めてそのあともいくつかの部門でやりました。

その後に社長も加わった経営メンバーで「今までの会社人生でもっとも充実していた時の事」を語ってもらい、懇親会になだれ込みました。この懇親会は盛り上がりました。まるでメンバーが昔からの友達同士だったかのような感じでした。面白かったのは、この合宿の話を聞いたときにはとても嫌がっていた役員が何度も私に感謝の言葉をかけてくれたことでした。翌朝には「5年先の会社のビジョン」を語り合ってもらい、いい感じでお昼に解散しました。そして、この合宿から思いがけないことが生まれたのも忘れられない思い出です。それは、定期的に開催していた経営メンバーの会議体である経営会議の内容を改善したいというものでした。この動きは経営陣が会社を良くしようという強い意志の表れで、とても嬉しく感動しました。具体的内容は秘匿事項もあり詳しく書くことができないのですが、合宿後も議論を続け、報告書類の簡素化や会議の時間の短縮にもつながり、職場からも喜ばれたのを覚えています。

改めて今思うことは、この新たなスタートの時期こそ、職場やチームが「心が通じ合うコミュニケーション」を通じて、物事に取り組むための土台となる関係づくりがなによりも大切だということです。

長々と書いてきましたけど、最後まで読んでもらってありがとうございます。

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